第45章 宴の後
「あんなこと…………そう、例えば、ドトウの腕の肉を剥いでから斬り落としたり………それから………
………俺、聞いてたんだよ。お前と小雪さんが話してるの。お前が………ドトウに、その……」
「…………キスしたことですか?小雪さんにも言いましたけど、あれはただの作戦ですよ。」
ルナはカカシの言葉の先を続け、先回りして説明した。
「………いや、俺もそこまでは聞いてた…………俺が訊きたいのは………
………どんな作戦を立てたらそれが必要になるのかってことだ。」
「あ、それ、訊いちゃうんですか………」
ルナはズカズカと踏み込んでくるカカシに若干呆れ、そう呟いた。
「ああ………俺も色々考えてはみたが、よくわからなくてな………で、なんでだ?」
「あー………簡単に言うと、ドトウに口を開かせるためですかね。」
「じゃあ、何故口を開かせる必要があった?」
「それは………」
ルナはドトウを拷問する方法として、カニバリズムを強要したことは言いたくなくて、言葉を濁した。
「………レイ、お前ひょっとして………ドトウに、ドトウの肉を喰わせたんじゃないだろうな?」
(飛行船のテーブルの上に、焼けた肉が置いてあった………ひょっとして………)
カカシはそうでなければいいと言いたげに、ルナにそう言った。
だがルナは、それにいつもの一点の曇りもない笑顔を返した。
「あはは、わかってたんなら訊かないで下さいよー。
そうですよ。俺は、ドトウの肉を焼いて、ドトウに喰わせましたよ。
なかなか口を開けてくれなかったので、ちょっと大胆な作戦に出てみたら、思いっきり効きました。
まあ、気持ち悪かったですけどね!うえぇ………思い出したらまた気持ち悪くなって来た………」
「そうか………」
(やはりか………)
カカシは自分の憶測が当たっていたことがわかり、小さく呟いた。