第45章 宴の後
「でもな………隠すこと無いだろ。なんで何も言わなかったんだ?」
「あはは、それは、時間がなかったのと…………うーん、みんなに色々心配かけたくなかったから、ですかね?」
ルナは、説明が面倒だったからですー、とは言わず、頭を掻いて苦笑いした。
「心配かけたくないって………俺、担当上忍なのに………」
(そう言えば、昨日も何もフォローされなかったし………俺って、お荷物扱いされてんの?)
カカシは教え子に全く頼られていないことを痛感し、ガラにもなく落ち込んだ。
「あー…………すみません、カカシ先生。以後、気をつけますから。」
ルナが少し慌てて、カカシをフォローした。
「…………いや。良いんだ。レイが、忍として自立の準備を始めたってことだからな。
だから、俺には教えなくてもいい。だが、サスケ達にはちゃんと教えろ。それがチームワークだ。
……………わかったか?」
「………はい。わかりました。」
(とか言って、もうすぐさよならだけどね。)
ルナはカカシの小言に頷き、儚く薄く、優しい微笑みを浮かべた。
「ま、わかってくれたんならいいや…………それとレイ……あのときは訊かなかったが、もう一つ訊きたいことがある。」
「なんでしょう?」
ルナはその内容をなんとなく予測しながらも、少し笑って、機嫌が良さそうに首を傾げた。
「…………レイ、お前……………ドトウに、何故あんなことをした?」
「ふふっ、あんなことって、なんですか?」
ルナは自分を見つめるカカシに、にこにこと笑いかける。
その姿から、僅かな狂気が滲み出ているのを感じて、カカシは一瞬黙り込んだ。