第44章 絆の春
「わあっ!レイ⁉︎いつからいたんだってばよ!」
「ふふっ、さあね?
ナルトが、ちゅーしてもらって羨ましい、って言ってたときからかな?」
「ほとんど初めっからいるじゃねーか!」
ニコニコしているルナに、ナルトがツッコミを入れる。
「まあまあ、良いじゃない。それに、ナルト達は俺のお荷物なんかじゃないよ。」
「え…………でも、俺達…………」
「……………ナルト、この任務はな。ナルトが、サスケが、サクラがいるから、こういう結末になったんだよ。
もし、三人がいなくて、俺だけだったら……………この任務、ただの暗殺になってたと思う。」
(そう……………あのとき、頑張ってたナルトを知らなかったら、私、ドトウを殺して終わりだったかもしれない…………
まあ、小雪さんのことは好きだから、こうなる可能性もゼロでは無いけど………………)
ルナはその昔、一生懸命なナルトが、わりと嫌いではなかったことを思い出した。
「……………まあ、そんな訳だからさ。自分のこと、お荷物だなんて思うなよ。
確かに、作戦を教えなかったのは悪かったけど……………でも、これが一番安全な方法だったから………………はは、ごめん。」
ルナは申し訳無さそうに、頭を掻いて苦笑いした。
「む〜……………まあ、そういうことなら?いいけどよ……………」
「……………そうね!私達には、私達のやるべきことがあるわよね!」
「…………やれやれ………レイらしいぜ。」
ナルト、サクラ、サスケはルナの言葉を受け入れてくれたようだった。
「ふふっ、ありがとう、みんな。」
(あー、みんな勘弁してくれてよかった〜……………)
ルナは三人を代わる代わる見て、穏やかに笑った。
「お〜い、レイ、俺は…………?」
その後ろでは、フォローされずじまいだったカカシが、少し淋しそうにしていた。