第44章 絆の春
それを遠くから見ていたナルト達は、コソコソと話していた。
「……………なんか、レイと風雲姫のねーちゃん、スッゲー仲良くなってねーか?
ほっぺにちゅーなんてしてもらって………………羨ましいってばよ〜!」
「そうね……………いつからだったかしら?」
サクラがナルトに同調し、疑問を提起した。
「………………確か、逃げたあの人を連れ戻したときから、もうあんな感じだったな……………」
(レイの奴、ニコニコしやがって………あの女に好かれてんのが、そんなに嬉しいのか?)
そう呟くサスケは、小雪に可愛がられて照れているルナに、少しイライラしていた。
が、それがやきもちだということには、気がついていなかった。
「まあ、な………………今回の件、レイが一人で解決したも同然だからな…………………まあ、それだけじゃないようだが…………」
「どういうことだってばよ、カカシ先生?」
カカシの呟きに、ナルトが疑問をぶつけた。
「ん?……………ナルト、よく思い出してみろ。レイに連れて帰って来られる前、小雪さんはなんて言ってた?」
「ん?………えーっと、確かー…………雪の国なんて知らないって………あれ?」
「そう……………レイは数十分かそこらの間に、あんなに嫌がってた小雪さんを説得してしまったんだ……………」
「あー……………」
カカシの言葉に、ナルト達は溜息を吐いた。
「しかも、レイはその直後に、一人でドトウの列車の攻撃を防いでみせた……………小雪さんの信頼はうなぎのぼりって訳さ……………
おまけに、ドトウ本人と、雪忍全員まで、一人で倒しちまった……………」
「………………なんか、レイ君って……………レベルが違うわね……………」
「ああ………………まあ、それは前からわかってたけどな……………」
「…………なんか、俺達ってば、レイのお荷物になっちまってるってばよ…………」
「そんなこと無いよ、ナルト。」
悲観的なことを言っているナルトの肩にルナが手を置いた。