第43章 救済は新たな暴虐へ
「んっ……んっ……んうっ………………」
(うあああぁああっ…………気ー持ちー悪い!気ー持ちー悪い!でも、口臭がしないだけマシか…………
それに……なんか、段々良くなってきた、かも?)
ルナは息を荒くして、ドトウにキスすることに集中していた。
その瞳は閉じられ、長い睫毛は悩ましく伏せられている。
巨体にのしかかり、ドトウの大きな顔に手を添えて、口付けに夢中になっている(ようにドトウには見える)様は、とてもいじらしかった。
「むぐっ…………」
(こいつ、一体何を考えて……………いや、しかし………これは…………)
ルナの媚態に、ドトウは相手が男だということも、さっき右腕を切られたことも忘れて、
歯をくいしばるのを止め、前歯を僅かに開いた。
(来た来た!よし、あともう少し…………影真似の術とか使っても良かったけど、こっちの方が落とし甲斐があるしね。
私のファーストキスは、残念ながらナルトだし。別に減るもんじゃないし、構わないよね。)
ルナはドトウが作戦にハマったことに心の中でほくそ笑むと、前歯の間からドトウの口の奥へと進み、その舌に絡みついた。
(なんと甘美な………ダメだ…………何も…………考えられぬ……………)
ドトウは美少年にキスされてホモに目覚めたのか、ルナに抵抗する気力を失くしたのか、
されるがまま、ルナと舌を絡ませ合った。
チュッ………チュッ………ジュルッ…………
(うえぇえ…………気持ち悪いっ………)
ルナはドトウの舌を何度も何度も吸い上げ、その唾液を飲み込む気持ち悪さに耐えて、噛み付くようにキスをした。
その甲斐あって、ルナのキスで蕩けたドトウは、徐々に口を開いていった。