第43章 救済は新たな暴虐へ
「ギャアアアアアァーーーーーーーーー!」
鋭い痛みを感じて、ドトウが泣き叫ぶ。
「あーあー、そんなにギャーギャー叫ばないで下さいよ。五月蝿いじゃないですか。」
ルナはまるで刺身でも作っているかのような手つきで、テキパキとドトウの腕の肉を削いでいく。
ドトウの右腕は傷口から血を吹き出して全体が真っ赤に染まり、酷い有様だった。
ルナが筋肉を骨に繋いでいた腱を断ち、削ぎ取ると、白い骨が露出する。
これでもう、ドトウは右腕を使うことはできない。
「ふふふふっ……………この程度で済むと思ったら、大間違いですよ、ドトウさん!」
(ふっ………胴体じゃないだけマシだと思え!)
ルナはそれだけでは飽き足らず、ナイフにチャクラを流して、ドトウの右腕をスパッと斬り落とした。
床の上に、大きな肉塊がぼとり、と鈍い音を立てて落ちる。
「アアアアアァアアァーーーー!」
その凄まじい痛みに、ドトウがまた悲鳴をあげる。
清廉な笑顔でその様子を見ているルナにもドトウの血が飛び散って、
その黒い服は血で濡れ、ルナの身体にしっとりと貼り付いていた。
「ふふふっ……………ドトウさんの血、真っ赤で……………思ってたより、綺麗…………」
ルナはそう呟くと、ドトウの傷口に溜まっていた血を指で掬い取って、紅を差すように、自分の唇に塗りたくる。
すると、その薄紅色の唇は赤い赤い血の色に染まって、妖しい色気を放った。