第43章 救済は新たな暴虐へ
「くっ………わ、儂が悪かった……………だから、命だけは…………取らないでくれっ……………」
ドトウが体躯とは真逆の矮小な本性を露わにし、涙を浮かべてルナに許しを乞うた。
「……………ふーん。そうですか…………」
(許すかボケナス!)
ルナはわざわざ腕を組んで、考え込むような仕草を見せた。
「儂が悪かった………今までのこと、詫びる………小雪にも………すまなかったと思う……………だから………」
「……………あ、そうだ!小雪さんだ!」
ドトウが、許してくれ、と続けようとしたときルナがポンと手を叩いた。
(そうだよ!一番大事なこと、忘れてた!ドトウはまだ、小雪さんに謝罪してないじゃん!
どうせだから、ドトウの最終的な処遇は、小雪さんに任せようかな。元々私の仇じゃないし。
ドトウをぶっ殺せないかもしれないのはちょっと残念だけど……………
でも、小雪さんの気持ちが大事だもんね!うん、そうだ!そうしよう!)
ルナは小雪のことを思い出して、自分の欲望にブレーキをかけ、取り敢えず、殺すのはやめることにした。