第43章 救済は新たな暴虐へ
「ふふっ…………さて、次はあなたですよ、ドトウさん。俺にとっては、そんな鎧なんて、ただの紙と一緒なんですから。」
ルナはまたしても印を結ばず、ドトウに向かって人差し指を突き出し、
指先にいつもより高密度に、チャクラと風遁で起こした風を集め、高速で回転させた。
「フン、それはどうかな?」
ドトウはチャクラの鎧に相当自身があるのか、はたまた虚勢を張っているのか、ルナの螺旋風砲を見ても、余裕の表情を崩さなかった。
「ふふっ、そうですか。では試してみましょうか。」
ルナはそう言うと、ドトウのチャクラの鎧の核目掛けて、直径1cmの螺旋風砲を発射した。
バリンッ!
気味の良い音がして、ドトウのチャクラの鎧の核は吹き飛んだ。
よくわからない素材でできたその欠片が、床に散らばってキラキラと照明を反射する。
「…………ねえ?紙とおんなじだったでしょう?」
ルナはニコニコと笑って、そのままドトウに金縛りの術をかけた。
「なっ………何故だ…………」
ドトウは拘束されたまま、訳がわからない、と言うように、額に汗を浮かべた。
「さあ?それについては、また後ほど。それよりも……………」
ルナはドトウを拘束したまま、三人組の方を向いた。
「えーと、フブキさん、ナダレさん、ミゾレさん。あなた達、これを見てもまだ、ドトウさんに仕えていようと思いますか?」
「………………………」
ルナの問いに、三人組がブンブンと首を横に振る。
「そうですか。では、小雪さんや三太夫さん達に危害を加えることは、金輪際しないと、約束できますか?」
「………………………」
ルナが醸し出す異様なまでの気迫に圧倒されて、三人組は声も出せず、ただひたすらに頷いた。
逆らったら殺される。
そんな確信だけが、三人の頭を占拠していた。