第43章 救済は新たな暴虐へ
「小雪姫様ーっ!」
ルナが築いた氷壁の後ろから、三太夫達武者軍団がわらわらと出てきて、小雪とルナ達を取り囲んだ。
「三太夫!」
小雪も三太夫に駆け寄る。
「小雪姫様、この浅間三太夫、姫様がドトウを打ち倒し、この国を取り戻すご決断をなさったこと、心より嬉しく思っておりまする!」
三太夫は跪き、小雪に頭を下げた後、ルナの方を見上げた。
「…………レイ殿。危ないところを助けていただき、本当に感謝しています。
あのままでは、今頃どうなっていたことか………………」
「いえいえ、俺は任務を遂行しただけです。」
(あー、三太夫さんて、ちょっと勝手なとこあるけど、いい人だな〜……………生きててくれて良かった。)
ルナは感謝されるほどのことではないと言うように、軽く笑った。
ナルト達は、何故小雪が突然ドドウに立ち向かう気になったのかが気になっているようだったが、
今はドドウを打ち倒す作戦を立てることが先決だという話になって、ルナ達は作戦会議を始めた。
「……………ここで、俺から皆さんに、提案があります。」
「……………………」
ルナの作戦に期待して、カカシ達は黙ってその先を促した。
「まず俺は、ドドウはもう一度、小雪さんを拉致しに来ると予想しています。
ですから、俺が小雪さんに変化して、ドドウにわざと捕まって、不意打ちを食らわせる、というのは……………」
「そんなのダメに決まってるだろ!」
ルナの無謀にも聞こえる作戦に、サスケ、ナルト、カカシが叫んだ。
「へっ?なんで?」
(おおーう、いきなり大反対食らっちゃった…………これが一番、都合が良いんだけどなぁ………………)
ルナは反対されることを予想していたが、予想以上の拒絶に少し凹んだ。