第8章 いざ、アカデミーへ
その後は昼休みだったので、ルナはミコトが作ってくれた弁当を持って、忍者クラスに行った。
イタチの方へ行こうとすると、目の前に立ち塞がるものがあって、上を見上げると大きな男の子がいた。
「君、うちはルナちゃん?」
「はい、まあそうですけど………」
「やっぱり!凄い手裏剣だったよ!ところで、一緒にお昼食べない?」
「えーっと、イタチ兄さんと約束してるから………」
「えーっ、イタチなんてほっといてさあ……」
ルナは困ってしまって、救いを求めてイタチの方を見た。
だが、イタチはまだルナに気づいていないようだった。
「ほら、イタチ気づいてないし、行こう!」
手を大きな子にグイと引っ張られても、本気を出して振りほどく訳には行かなかった。
下手をすれば、殺してしまうかもしれないのだから。
「っ痛いよ……やめて………」
と涙目になりながら、ルナが引きずられようとしていると、イタチはやっと気付いたようで助けに来てくれた。
「…………おい、何してる?」
イタチは昨日以上の不機嫌そうなオーラを出して、男の子を睨んだ。
「イッイタチ………」
「俺のルナに何してる?嫌がってるようにしか見えないが。」
「悪かった。ルナちゃんが可愛いくてつい……ルナちゃんごめん!」
そう行って男の子はルナの手を解放した。
「……別に、いいよ。」
ルナは捕まれていた手首をさすりながら言った。
まあ、別にもう痛くないのだが。
「……ルナ、行こう。」
そう言ってイタチはルナを外へ連れて行った。
「早く気づいてやれなくてごめんな。」
「ううん、イタチ兄さんのせいじゃないよ。私も、もうちょっとはっきりものを言えるようになりたいなあ…」
「……いや、ルナの歳じゃ、ロクに喋れない奴の方が多い。気にするな。」
「……イタチ兄さん、ありがとう。」
「でも、ああいう奴がいたら、すぐ俺を呼べよ?」
「は~い。」
ルナは素直に返事した。
その後、二人で仲良く弁当を食べ、昼休み終了ギリギリになってしまったので、二人とも急いで教室に帰った。