第8章 いざ、アカデミーへ
次の日もアカデミーだった。
昨日とは違って、今日は実技があって、「変化の術」をやった。
まあルナは一歳の時にマスターしているのだが……
授業の最後にテストがあって、みんな苦戦していた。
「次、うちはルナ!」
「はい!」
ルナは元気よく返事をして、みんなの前に出て行った。
昨日突っかかってきた子達が見てきたが、どうでもいいので無視した。
よく考えたら、これはナメられない為のチャンスだ、と思ったので、
「変化の術!」
と言いながら印なしで術を使い、目の前にいる教官に、寸分違わずに変身した。
教室はルナが印なしで術を使ったことに、ひどく驚いていた。
教官まで口を開けたまま固まっていた。
「……はい、合格!」
教官は我に帰って、テストを再開した。
なんだか周りからひそひそ話す声が聞こえて、余計孤立したかな、と思った。
その後は手裏剣の実技があって、これは忍者クラスとくノ一クラス合同だった。
ルナはイタチの番が来るのを、今か今かと待っていた。
「次、うちはイタチ!」
「はい。」
イタチが手裏剣を投げると、それらは全て、的の真ん中に当たった。
くノ一クラスから黄色い声が上がったので、ルナは、五月蝿いなあと思った。
イタチが列に戻る時、目があったので、にこっと笑いかけると、口角を上げて笑い返してくれて、ルナは嬉しくなった。
が、それをくノ一達がジーっと見ていたのに気づいて、心の中で、あーめんどくせぇ、なんて何処かの誰かみたいな台詞を呟いた。
そうしているうちにルナの番になった。
「次、うちはルナ!」
「はい!」
(イタチ兄さんにいいとこ見せなきゃ!)
そう思いながらルナがみんなの前に出ると、忍者クラスの方から何故かウォーッという声が聞こえた。
ルナは驚いてビクッとしたが、気を取直して、手裏剣を投げた。
タタタタタンッ
手裏剣は全て、的の丁度真ん中に刺さった。
くノ一のチビが見事な手裏剣投げを披露して、みんなが驚いている隙に、ルナはイタチの方を振り返り、えっへん、という顔をした。
そんな妹に、イタチは温かい眼差しを向けながら、
「流石俺のルナだ。」
と呟いた。