第42章 氷雪の地へ
「む〜…………でもさ、でもさ…………」
ナルトは反論ができないのか、言いたいことがまとまらないのか、もごもごと何かを呟いていた。
小雪はフンと言ってそっぽを向き、三太夫に至っては、下を向いて項垂れてしまっている。
空気がズーンと重くなったのを感じて、ルナはもう一度、口を開いた。
「…………………とは言っても、敵に存在がバレている以上、どこに逃げても無駄、ですね。
つまり、撮影を続けるしかないってことですよ。」
ルナの言葉に監督やディレクター、カカシも賛成し、
小雪の文句は聞き入れられることなく、一行はこのまま雪の国へ向かうことになった。
その日の夜。
今日、カカシが六角水晶をすり替えると知っているルナは、カカシの横で狸寝入りを決め込んでいた。
(カカシ先生ってば……………人のものを盗るなんて感心しないけど、今回ばかりは仕方ないかな…………)
ルナがそんなことを思いながら目を閉じていると、カカシが起き上がって、ルナに声をかけてきた。
「…………レイ、まだ起きてるか?」
「……………………」
ルナは当然、その問いに沈黙をもって答える。
(レイは寝ちまった、か………そろそろ行くか……………)
カカシはルナが眉ひとつ動かさず、返事もしないのを見て、ルナは寝たと思ったようで、
ベッドから抜け出し、小雪のところに向かった。