第42章 氷雪の地へ
ルナ達四人は駆け出し、小雪達の周りで円陣を組んだ。
「なんだかよくわかんねーけど、映画みたいになって来たってばよ。
風雲姫のねえちゃん、ここは俺が守ってやるってばよ!」
そう言ったナルトに、例の不男………ミゾレがスノーボードのような乗り物に乗って突進し、避けるナルトを狙い続ける。
サスケがミゾレにクナイや巨大手裏剣を投げたが、それらは全て、チャクラの鎧に弾かれ、傷一つつけられなかった。
そのサスケを、フブキの燕吹雪が襲う。
ブーメランのように折り返して向かってくる燕吹雪を、サスケは豪火球で打ち消した。
ルナはというと 、逃げようとしない小雪に痺れを切らし、小雪を身体の前に抱え上げた………つまり、お姫様抱っこしたところだった。
「雪絵さん。逃げましょう。行きますよ。」
ルナは小雪の返事を待たずに、船に向かって瞬身で移動を始めた。
小雪を連れているルナを、フブキの燕吹雪が襲う。
ルナはそれをひらりひらりと軽くかわし、船に向かい続けた。
続くスノーボード野郎の体当たりや糸を、高く跳躍してかわす。
小雪が何か叫んでいる気がしたが、面倒なので無視した。
しつこい攻撃がうざくなったルナは、身体の中でチャクラを練り上げ、
印無しで豪龍火の術を発動し、斜め後ろに向かって、炎を吐き出した。
炎の龍が雪忍達の氷遁をかき消し、雪忍達は面白いとでも言いたげな顔をしていた。
その追撃をまたしてもかわし、遂にルナは、船のすぐ前までやって来た。
「ナルト、サクラ、サスケ!早く!撤退だ!」
ルナは振り返ってそう叫ぶと、船に飛び乗った。
「姫様!」
「三太夫さん、小雪さんをお願いします。」
「はいっ!」
駆け寄って来た三太夫にいつの間にか気絶してしまった小雪を預け、ルナはもう一度、氷山に戻った。