第42章 氷雪の地へ
「うー、寒い…………」
氷山の上でストーブにあたりながら、ルナは呟いた。
「ホントね………もっと着てくればよかった…………」
サクラが手を擦り合わせて呟く。
「………………」
サスケは黙っていたが、寒そうなのは同じだった。
「ふわーぁ…………」
その横では、ナルトと小雪が、ダルそうに欠伸をしていた。
撮影が始まってしばらくして、カカシの仕業で氷山の一角が爆発し、撮影関係者とナルト達は狼狽えた。
爆発で発生した霞がおさまったところから、チャクラの鎧を纏った、気障な男が現れた。
「ようこそ、雪の国へ。」
「お前は………!」
そのムカつく面の男…………狼牙ナダレの出現に、カカシが警戒を露わにする。
「歓迎するわよ、小雪姫。六角水晶は持って来てくれたかしら?」
いつの間にかナダレの近くの氷柱の上に立っていた、ピンクの髪をツインテールにしたまあまあなくノ一………鶴翼フブキが言う。
「なにっ、小雪姫………?」
その言葉にカカシが振り返り、後ろに庇っていた小雪を凝視する。
突然現れた敵とよくわからない話に、ナルト、サクラ、サスケは黙ってそのやりとりを見つめるだけだった。
ルナはと言うと、イライラしたような顔で、雪忍達を睨んでいた。
(なんだろう?よくわからないけど…………凄く、胸がムカつく………)
「はっはっはっはっは、流石ははたけカカシ。これ以上は近づけなんだな。」
雪の中から、大柄な不男………冬熊ミゾレが姿を現し、下卑た笑いを見せた。
ようやく状況を理解したナルト達は、クナイを構えて、戦闘に備えた。
ルナもそれに倣う。
しかし、頭だけ振り返ったカカシが、
「レイ、サスケ、サクラ、ナルト。お前は雪絵さん達を守れ。」
と指示を出し、撮影関係者達には、
「全員船に戻れ!」
と叫んだ。
雪忍達は、ナダレがカカシと戦い、小雪のことはフブキとミゾレに任せる、という作戦になったようで、
ルナ達の方に、フブキとミゾレが向かって来た。
そして、雪忍とルナ達の戦闘が始まった。