第42章 氷雪の地へ
ルナは氷山に降りて、冷静に戦局を観察した。
現在、カカシとナダレの氷でできた虎が激突し、サスケはフブキの氷牢の術を紙一重のところでかわし、
ナルトとサクラはミゾレのスノーボード攻撃を避けるのに手一杯で、ルナの指示を聞ける状態ではなかった。
(カカシ先生、やっぱり氷遁コピーしてる………………氷が沢山あるとこなら、使えるってことかな?
まあ、それは良いとして………………小雪さんはもういないんだから、さっさと退却してよ、雪忍!
…………………あんまりしつこいと、私、怒っちゃうよ?)
諦めの悪い雪忍にイライラして来たルナは、影分身を二体出して、
フブキとミゾレのところに向かわせ、自分はナダレのところに向かった。
ルナの影分身のうちの一体は、雪面を滑走していたスノーボード野郎に飛び蹴りをかまして、派手に転倒させた。
「ナルト、サクラ!撤退だ!早く戻れ!」
ルナの影分身は転んだミゾレが起き上がる前に、できる限りの声で叫んだ。
「レイ!でも………」
目の前にいるルナが影分身だと知らないナルトが躊躇いを見せる。
「俺は影分身だから大丈夫!後はお前らだけだ!さあ、早く!」
「そっか、わかったってばよ!」
「わかったわ!」
ナルトとサクラがルナの影分身に頷き、二人は船に戻って行った。
「……………さあ、ミゾレさん?
なにして遊びましょうか?雪合戦とかどうですか?
氷遁・氷礫!」
ルナの影分身は不敵に笑うと、印を結ばず術を発動させて、自分のチャクラから透明な氷の礫を大量に作り出し、
チャクラで操って、高速で飛ばした。
「ふん!そんなものが効くか!」
「さあ?まあそれ、当てるためのものじゃないですから。」
ルナがミゾレに、至極冷静に答える。
その言葉通り、ルナの影分身はそれをミゾレの周りの雪面に打ち込み、雪煙を起こして、ミゾレの視界を殺した。
「むっ………この程度の雪煙…………………なにぃっ!うおおおおおっ………………」
ミゾレが適当な方向に滑走して、煙の中から脱出しようとしたとき、上に巨大な雪塊が落ちて来て、ミゾレは生き埋めにされてしまった。