第42章 氷雪の地へ
ルナが部屋に引っ込んで少しして、撮影が終わり、カカシのところにナルト達が集まって来た。
「うーん、映画の撮影ってすげーなー!
……………あれ、カカシ先生、レイはどうしたんだってばよ?」
「あれ、ホント…………」
「そう言えば、さっきから見かけねえな…………」
ナルト、サクラ、サスケが口々に呟く。
「あー…………レイは、ちょっと船酔いしたってさ。」
「えっ………」
カカシの言葉に、三人はびっくりしたようだった。
「………ま、そんなワケでちょっと調子悪いみたいだからさ、今日はちょっと、静かにしてやってくれ。」
カカシが三人に、静かに、というポーズを取る。
「わかったってばよ。レイ、ダイジョーブかな………」
ナルトが腕組みをして、うーんと唸る。
「そうね………最近レイ君、調子が良くないことが多いしね………」
サクラが不安げに呟く。
「………………」
サスケは黙っていたが、何かを考えているような顔をしていた。
夕食後、カカシが部屋に戻ると、ルナはベッドで眠っていた。
「お~い、レイ、大丈夫か?」
カカシがボリューム控えめで、ルナに呼びかける。
「………ん、カカシ先生ですか。」
ルナが眠そうな顔で起き上がり、目を擦る。
少し寝て回復したようで、顔には赤みが差し、気分も悪くないようだった。
「………はい。お陰様で、もう大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
「……そう、よかった。じゃ、おやすみ。」
カカシはそう言うと、安心したような顔で、ルナの横にある寝台に横たわった。
「………お休みなさい。」
ルナはそう呟くと、目を閉じ、夢の世界へ帰って行った。
(さてと…………レイも寝たし、俺も寝るか。)
その安らかな寝顔をチラリと見てから、カカシも眠りについた。