第42章 氷雪の地へ
その少し前、カカシと合流したサクラとサスケは、任務について説明を受けていた。
「今回の任務は、風雲姫を演じる富士風雪絵を、次のロケ地、雪の国まで、護衛………というより護送することだ。」
「護送?」
サスケが怪訝そうに訊く。
「ああ。まあな。」
そう言ったカカシの顔は浮かないものだった。
それはこれから遭遇する可能性のある敵のことを考えてのことだったが、カカシはそれを口には出さなかった。
監督やキャスト、富士風雪絵のマネージャーの三太夫が、口々に普段の雪絵について喋り、
その内容に、カカシ、サスケ、サクラは、先が思いやられた。
「…………そう言えば、ナルトとレイ君は?」
サクラが思い出したように呟いた。
「………さあな。多分、富士風雪絵を追ったナルトにでもついて行ったんじゃないか?」
サスケはぶっきらぼうに言ったが、それは皇レイという少年を信用しているが故だった。
「うーん………ま、レイがついてるなら、大丈夫だろ。俺達は俺達で、雪絵さんを探すとするか。」
(富士風雪絵を尾行しているナルトの尾行…………レイならやりそうだ。)
カカシが溜息混じりに呟き、三人は行動を開始した。