第42章 氷雪の地へ
ナルトは、追っ手を撒いた後川のほとりで休憩していた小雪に話しかけ、ガン無視されていた。
そして小雪が再び馬を走らせたとき、はずみで水に落ちているのを、ルナは隠れて見ていた。
(ナルトやっぱり水に落ちちゃった………まあでも、溺れないだろうし、もう少し様子見よう。
私が小雪さんの前に出て行くのは、やっぱりナルトが痴漢撃退スプレー食らった後にしよう。
この任務、小雪さんの気持ちが変わることが大事なんだし。私の出番は、死者と負傷者を出さないための保険程度、ってことで。)
ルナはついさっき立てたアバウト過ぎる作戦を変更し、ナルトと小雪の追尾を続けた。
しばらく行って、子供にぶつかりそうになった小雪が馬から転げ落ちた。
転げ落ちた小雪を子供が囲い込み、サインをねだる。
それにナルトが加わっていて、ルナは思わず呆れた。
小雪はサインをねだる子供達を冷たくあしらうと、その場から離れた。
その後を追うナルトを、ルナが物陰から見ていた。
そこから少し離れた街で、小雪はダサい変装をし、周囲を警戒しながら歩いていた。
ふと、背後に気配を感じた小雪がコンパクトを開き、後ろを確認すると、電信柱に隠れきれていないナルトが見えた。
尾行されていることに気がついた小雪が、走ってナルトを撒こうとするが、とうとう追いつかれてしまった。
しつこくサインをねだるナルトに、小雪はサインを書くフリをして痴漢撃退スプレーを浴びせ、書きかけのサインを破り捨て、
再びバッカみたいと呟くと、その場から立ち去った。
ルナはナルトに少し申し訳ない気がしながらも、その後を追った。