第42章 氷雪の地へ
ルナが映画館の前でナルト達を待っていると、ナルト、サクラ、サスケが出て来た。
ナルトはサクラにガミガミと怒られ、サスケはナルトを横目でチラッと見て溜息を吐いていた。
「あ、レイ君!いつの間に出て行ったの?」
サクラは映画館の前で手を振っているルナを発見して、ナルトに怒るのを止め、ぱたぱたと駆け寄って来た。
「いや、ナルトが叫び出す直前にな。サクラ、サスケ、お疲れ!」
ルナはそう言うと、邪気の無い笑顔を浮かべた。
「もー本当、ナルトのせいで台無しよー!映画最後まで見られなかったし………」
サクラがブツブツと呟く。
サスケはまだ、不機嫌そうな顔でナルトを見ていた。
「まあまあ、これから任務だし、一旦水に流してさ。
さ、集合場所へ行こう!」
「………そうね。行きましょう。」
「…………ああ。」
「……おう!」
ルナの言葉を合図に、サクラ、サスケ、ナルトは、すぐ近くの集合場所へ移動した。
「………どこかにいねぇかな………風雲姫みたいなお姫様…………」
ナルトが集合場所の前に貼ってある、映画の看板を見て呟く。
「………フン。所詮映画の話だ。」
サスケがナルトを見て、呆れたように言った。
そのとき、蹄が地面を蹴る音と、馬の嘶きが、すぐ近くから聞こえた。
そしてその一瞬後、集合場所の前の塀を、馬に乗った女性……風花小雪が飛び越えた。
「え………嘘、ふ、風雲姫?」
サクラがその後ろ姿に呟く。
そしてまたまたその一瞬後、壁の扉が開いて、さっき見た映画の中で出て来た人物と同じ衣装を着た人達が、
ぞろぞろと小雪を追って行く。
サクラとサスケは顔を見合わせると、素早くその後を追った。
一瞬呆けていたナルトはすぐに我に帰り、その後を追った。
ルナはと言うと、任務のことも忘れて小雪を追って行ってしまう三人に少し呆れながら、ナルトを尾行した。