第41章 調和の綻
「……………で、何故本気を出さない?」
諦めの悪いサスケが、ルナを問いただす。
「え?別に、特に意味なんてないけど………………強いて言うなら、気分?」
ルナは、本気を出したら木ノ葉が吹き飛ぶからですー、とは言わず、そう言って誤魔化した。
「そうか………………」
(やれやれ………やっぱりレイって、気分屋なとこあるよな…………)
サスケはルナの説明に一応納得して、それ以上は何も言わなかった。
「じゃあさ、じゃあさ!レイが本気出したら、どーなるんだってばよ?」
「え?本気出したら?そうだな………………」
(うーん、正直に言うのもどうかと思うし………かといって過小評価すると後々面倒になるかもだし……………)
ナルトの質問にどう答えるのがベストか、ルナは考え込んだ。
「……………ナルト、俺も正直よくわかんないからさ、それはいつか、本気が必要になるときに、ってことじゃダメか?」
ルナは少し考えた末に、そう言って胸の前で手を合わせ、ゴメンとばかりにウインクした。
「む〜…………わかったってばよ。期待してっからな!」
ナルトはあまり納得がいっていないようだったが、そう言って引き下がってくれた。
「じゃ、俺そろそろ帰るよ。
三人とも、明日からまた頑張ろうな!」
「おう!じゃなレイ!」
「うん!じゃあねレイ君!」
「………ああ。じゃな。」
ナルト、サクラ、サスケがルナの別れの挨拶に応える。
「うん!それじゃ!」
ルナはそう言うと、眩し過ぎる笑顔を残して、瞬身でいなくなった。