第41章 調和の綻
袋小路に追い込まれたルナは、ごちゃごちゃと考えるのをやめた。
「………わかったよ。
風遁・螺旋風砲・紫電!」
(ええーい、もうどうにでもなれー!)
ルナは印を結び、指先にチャクラと風を集め、
チチチと甲高い音を立てて高速で回転している、直径3cmほどの青紫の塊を作り出した。
それを指先から発射して、近くの地面に着弾させる。
ドガンッ!
それは地面に当たると、小さな爆音を立てて、直径1mほどの小さなクレーターを作った。
「……………これでいいか、ナルト、サスケ?」
ルナは振り返り、そう訊いた。
対する二人は、ナルトは口をあんぐりと開け、サスケは少し不満そうにルナを見ていた。
「俺のよりちっちゃかったけど…………確かに似てるってばよ。レイ、それ誰から教わったんだ?」
「……………レイ、何故本気を出さない?」
「え?ちょっと待て、どっちから答えれば良いかな…………………」
(あーあー、やっぱこうなった。私のバカァァ!)
ルナは窮状を招いた自分の間抜け加減を嘆いた。
「あー…………まずナルトだけど…………うーん、ナルトが知らない人だよ。故郷にいたときに教わったんだ。」
ルナはサクッと嘘を吐いた。
「ええー!でも、エロ仙人が、これを使えるのは、四代目とエロ仙人と俺だけだって……………」
ナルトがそれを聞いて更に驚く。
「さあ……………俺の師匠、よくわからないからさ…………」
ルナは言い訳に困って、適当に答えた。
「よくわからない、って……………」
サスケがまさか、と言う風に呟く。
「ああ別に、死んだ訳じゃない。ただ、なかなか捕まんない人でさ………こっちから連絡とか、できないんだ。」
ルナは慌てて嘘を補足すると、困った人だ、とでも言いたげに、やれやれとばかりに手を振った。
「む〜……………」
ナルトは状況が飲み込めたのか飲み込めないのか、腕を組んで唸っていた。