第41章 調和の綻
「まー、とにかく、二人とも、必殺技を仲間に使うのはやめろ。俺が全部治せるかはわからないんだから。
………わかったか?」
「………へ〜い。」
「……わかった。」
ナルトとサスケは、渋々頷いた。
「でもさ、でもさ!レイに俺の新忍術、見て欲しいんだってばよ!」
決闘を諦めたナルトが食い下がる。
「あ〜………それなら別にいいけど…………」
(あ、ヤバい。これを止めても、サスケが私も螺旋丸に似た術使えるとか言っても、どっちにしろナルトがまた拗ねちゃうよ………
……………やっぱり、サスケ達の前で螺旋風砲使うんじゃなかった…………)
「よっしゃー!じゃ、行くぞっ!」
ルナが止むを得ずOKすると、ナルトは得意そうに印を結び、掌上でチャクラを練った。
「螺旋丸の術~!」
ナルトがそう言いながらそばにあった木に突っ込む。
ドガッ、バキバキッ、ドーン!
ナルトの螺旋丸が木を削り取り、中間を失った華奢な木は、倒れてしまった。
ルナには倒された木が不憫でならなかったが、顔には出さなかった。
「な?な?スッゲエだろ、俺の新忍術ー!」
何も知らないナルトが得意そうに言う。
「そ、そうだね………」
ルナはナルトに同調しながらも、サスケの方を横目で見ていた。
(サスケ、お願い!言わないで!)
しかし、サスケがルナの意図に気がつくわけもなく、無情にもサスケは口を開いた。
「…………なんかこれ、レイが前にやってたやつと似てないか?」
「え?そんなわけねえってばよ。だってこの術は、あの四代目火影が作った高等忍術で………」
サスケの言葉をナルトが否定しようとする。
「………いや、絶対似てる。なんなら、レイに見せてもらえよ。」
「え?いや、あの……」
(サスケーッ!なんでそんなこと言っちゃうのー!)
食い下がるサスケが、とんでもないことを提案してしまい、ルナは慌てた。
「おお!たしかに、それではっきりするってばよ!レイ、早くそれ見せてくれ!」
ナルトも能天気にそう言い、ルナが術を出すのを今か今かと待っている。
ルナは絶体絶命だった。