第8章 いざ、アカデミーへ
「………誰だ、俺のルナを泣かせたのは。」
「だって、質問しても何も答えないから………」
「……何を聞いた?」
「本当にうちは一族なの?とか…………」
それを聞くとイタチは更に不機嫌そうな顔になった。
「………成る程、ルナは銀髪だから、疑うのも無理ないだろう。
だがルナは、れっきとしたうちは一族だ。
訳あってウチの家族の養子になっている。
……他に質問は?」
イタチに睨まれて、くノ一達はみんな黙った。
「なければルナを俺に返せ。
それから、今後ルナを泣かすような奴がいたら、タダじゃおかない。
………ルナ、行こう。」
「……うん………」
ルナは差し出されたイタチの手を握り、下を向いたまま、くノ一クラスを後にした。
「ルナ、大丈夫か?」
「……うん。」
イタチが抱き上げてギュッと抱き締めてくれて、ルナはホッとした。
「でも、教室戻るのやだなぁ……」
「うーん……」
二人でどうにかならないか考えた。
「そういえば、ルナは影分身が使えるんだよな?」
「うん。」
「それと、何か隠れる術を使えば良いんじゃないか?」
「うーん……あ、迷彩隠れの術使えるよ!」
「じゃあそれを使って、様子を見たらどうだ?」
「うん!そーするね!」
ルナは途端にニコニコして言った。
(か、可愛い……もし次何かあったらあいつらシメてやる。
にしても、迷彩隠れの術って、超高等忍術だった気が…………
まあ、ルナだからな………)
イタチはルナについて、大抵のことには驚かなくなっていた。
「じゃあ、そろそろ戻らなくちゃ。お昼御飯食べ損ねさせちゃってごめんね。」
「気にするな。気をつけて行けよ。」
「はーい!」
ルナはイタチに手を振って、くノ一クラスに向かった。
迷彩隠れの術を使ってから、影分身にドアを開けさせて教室に入ると、みんな気まずいのか、誰も目を合わせなかった。
影分身が授業を受けていれば、授業内容は後で問題無く頭に入るので、ルナの本体は、いつしかウトウトしていた。