第8章 いざ、アカデミーへ
入学式が済むと、ルナはイタチとは別の教室に行かなくてはならなくなった。
「うう……イタチ兄さん………」
ルナが泣きそうな顔をしているので、イタチはちょっとドキドキしながら、
「ルナ、昼休みに必ず会いに行くから、頑張ろう?な?」
と言い、ルナの頭を撫でた。
ルナは少し元気が出て、
「うん!イタチ兄さんもね!」
と言って、くノ一クラスの方へ走って行った。
教室は知らない人ばかりだったけど、そこまで怖くはなかった。
みんなで自己紹介をするというので、まあ適当にいこうと思って、自分の番を待った。
みんな名前と好きなものと嫌いなもの、将来の夢を言っているので、何を言おうか考えていると、
あっという間にルナの番になってしまった。
「えーっと、うちはルナです。好きなものは、イタチ兄さんとサスケ!嫌いなものは、私の大切な人を傷つけようとする人!
…………将来の夢は、大切な人を守り通すことです。」
うちは一族を名乗るうちはらしくない外見の少女に、教室はざわめいていた。
その後の昼休みに、入学式でイタチを目撃してキャーキャー言っていたくノ一達に、ルナは捕まってしまっていた。
「ねえ、イタチ君とはどういう関係⁉︎」
「あなた本当にうちは一族なの?うちは一族はみんな黒髪だと思ってたけど……」
と次々に答えづらい質問を浴びせられ、ルナは困ってしまった。
ルナが答えられないでいると、キレやすいタイプのくノ一が、ルナの胸倉を掴んで、
「ちょっと、何とか言いなさいよ!」
と詰め寄ってくるので、精神力が紙耐久のルナは、堪えきれずに涙を流してしまった。
「うっ……うう…………」
「ちょっとアンタ!やりすぎよ!泣いちゃったじゃない!」
「………………君達、何をしてるんだい?」
そこへイタチがやってきた。
「イッイタチ君⁉︎ええっと、その〜」
イタチ本人の登場に、くノ一達が狼狽える。
「…………」
イタチは泣いているルナを認めると、眉をひそめた。