第41章 調和の綻
ルナは場の空気が重くなってしまったことに気がつき、少し慌てた。
「えーと、つまり俺が言いたいのは…………
………誰にでも長所と短所があるってことだよ。」
ルナはなんとか纏めようとしたが、少し無理があった。
「………ぷっ。なんだよそれ。」
強引すぎるまとめ方に、シカマルが噴き出した。
「………ははは、ごめん。」
返す言葉も無く、ルナは少し顔を赤らめ、恥ずかしそうに俯いてもじもじした。
その小動物のような可愛らしい仕草に、凍っていた空気が解け、皆がときめいてしまった。
「………もう、レイ君てばカワイイんだから!」
いのが照れ隠しに咳払いをする。
「…………そうだな。女よか可愛げあるかもな。」
ボソッと呟いたシカマルに、皆の視線が一点集中した。
「…………え?シカマル、お前………」
「…………シカマル…あんたまさか………」
「………いつも女ってめんどくせーって言ってたのって………」
ナルト、いの、チョウジが口々に恐る恐る呟いた。
「わーっ!そういう意味じゃねえっ!」
自分がホモ扱いされているのに気がついたシカマルは、慌ててその先を遮った。
「…………あの、シカマル、俺、そういうのは………」
(シカマルかぁ……結構好きだけどなぁ………シカマルの相手は、やっぱりテマリさんじゃないと。)
ルナは口に手を当て、長い睫毛を伏せて、シカマルをジッと見た。
「わーっ!レイも赤くなってんじゃねぇー!」
頰を紅く染めて自分を見つめるルナに、シカマルはどきりとしながらも、大声で叫んでいた。
その様子を見て他の皆は、
(シカマルがホモってワケじゃないのは、なんとなくわかってたけど………
………レイって、男にモテそうだよなぁ………)
と思い、ルナの未来の苦労を労った。