第41章 調和の綻
「……………それにしても、レイ君とサスケ君て、ちょっと似てるわよね!」
いのがルナの煌めく紅い眼と、つややかな黒髪を見つめて言った。
「あ、わかるー!顔が似てるっていうよりは……………目の色とか特に、写輪眼出してるときのサスケ君みたいよね!」
サクラがいのに同意する。
「そう、かな?ははは………………」
ルナは続けざまに外見が可愛いと言われて、微妙な気持ちになっていた。
(サスケと配色が似てるのは当たり前なんだけど……………女に見えるとか可愛いとか……
……皇レイの姿は、イタチ兄さんをモデルにしてるなんて、口が裂けても言えないな…………イタチ兄さんが凹んじゃうよ…………)
「でもさ、でもさ!レイはサスケとはぜんぜん似てねぇってばよ!」
ずっと黙っていたナルトが、突然大声で言った。
「まあね〜。サスケ君はなんていうか、ほら、なかなか髪型崩れない方だけど、
レイ君は髪の毛がすごくサラサラだし、サスケ君のほうが全体的にがっしりしてるしね〜」
いのが呑気に感想を述べる。
「いや、そういうことじゃねえってばよ…………レイはなんていうか、イヤミなとこがぜんぜんねえっていうか……
…………すっげえいいヤツだってばよ!」
ナルトがバシーンと机を叩いて言った。
いのとサクラが何か言う前に、昔のサスケを知る姉として黙っていられなかったルナが喋り出した。
「………………ナルト。サスケはイヤミな奴なんかじゃないよ。ただちょっと………不器用なだけなんだ。」
そう言ってルナは、天使のように清らかな、慈しみに満ちた笑顔を浮かべた。
それを見て他の皆は、心が洗われているような気さえした。