第41章 調和の綻
「レイが女に見えるかどうかは置いといて…………確かに、レイはもっと食うべきだ。俺の奢りだからって遠慮なんてするな。」
そのやりとりにカカシが口を挟む。
「はい………わかりました。」
ルナはそう言って、おずおずと肉を数切れ取った。
「ていうかレイ君、チョウジも私も、君とかさんとかつけなくていいのよ?まあ私はつけるけどね!」
「そうね〜、レイ君はレイ君って感じだしね〜」
いのの言葉にサクラが頷く。
その台詞に男性陣は、
(それってどんな感じだよ…………)
と思った。
「そう?じゃ、いのとチョウジ、これからよろしく。そういえば、こうしてまともに話すのは初めてだよな?」
「そうだね〜、だってレイってば、卒業試験直前に転校してくるんだもん、シカマルと知り合いだったのが驚きだよ〜」
「レイ君てばすぐに帰っちゃうし、誰も住所とか知らなかったしね〜。レイ君と話したいって子、ケッコーいたのよ?」
「ふ〜ん、そうだったんだ。でも、なんでだろ?」
ルナは素直に驚き、いのに問いかけた。
「やだ〜、そんなの、レイ君がモテモテだからに決まってるじゃない!
だって、卒業前ラスト一週間になって、くノ一がサスケ君派とレイ君派に割れちゃったもの!
私はもちろん、サスケ君派だけどね!」
「私も!カワイイ男の子もいいけど、私はカッコイイほうが好きだから〜」
いのとサクラがサスケ派宣言したところで、ルナは痛くも痒くもないのだが、
笑って、そう〜、残念だなぁなどと適当なことを言っていた。
その頭の中は、
(いや私女だから!男じゃないから!)
で一杯だった。