第41章 調和の綻
焼肉屋に入って、案内されたボックス席に行くと、横から聞き覚えのある声が聞こえた。
「へえ〜、いつもヤル気のないあんたでも、ちょっとはマトモに見えるわね〜〜」
「ハハハ、似合ってない。」
「ったく、笑うなっての。」
「とりあえず、シカマルの中忍昇格を祝って、乾杯だな!」
「いただきま〜……………」
「あ、アスマさんに、シカマルに、いのさんに、チョウジ君。奇遇ですね。」
チョウジが、す、と言おうとしたとき、ルナはひょこっと顔を出した。
「おう、レイ君か。カカシと、ナルト達も一緒に…………あ、そうか!そっちも祝賀会か!」
アスマが快活な笑みを浮かべて言った。
「ま、そんなとこ…………そっちはシカマルの中忍昇格祝い?」
カカシがいつも通り少し面倒くさそうに訊いた。
「え?え?シカマルも?でも、負けてたのに……………」
アスマが何か言う前に、ナルトが騒ぎ出した。
「………………ナルト。シカマルは、試合に負けて、勝負に勝ったんだ。だから受かったんだよ。
シカマルの頭脳プレーが、高く評価されたのさ。」
ルナは納得がいかなさそうなナルトに説明した。
「う〜〜〜ん……………」
いまいちよくわかっていないナルトが唸っている間、他の皆は、ルナの的確な説明に驚いていた。
「………………驚いたな、レイ君。君がシカマルのことをそんなふうに思ってたなんて……………」
いつの間にか、アスマがルナを凝視していた。
「……え?いやいや、そんなの一週間も一緒にいればわかります。シカマルは頼りになるヤツですよ。」
言い過ぎたかと焦ったルナがそう言うと、シカマルがポリポリと頭を掻いて、
「……………サンキュー、レイ。」
と、言って照れていた。