第40章 回復
ルナがイタチの幻術で眠っていると聞くと、カカシは目を見開いた。
「レイがイタチの幻術に⁉︎」
「そうじゃ。一刻も早く、治療してやらねばならん。だが…………
………レイの病室に入るのは、儂と綱手の二人だけじゃ!」
ヒルゼンの言葉に、ナルト達が反発する。
「じいちゃん、何でだってばよ!俺達はレイの仲間なんだぞ!」
ナルトはここが病院であることも忘れてギャアギャアと文句を言う。
「火影様、どうしてですか?私、うるさくしたりなんかしないのに………ナルトがうるさいせいですか?」
ルナは入院して以降ずっと面会謝絶だったため、サクラはかなりルナを心配していた。
「…………………」
サスケは口には出さなかったが、不満そうにヒルゼンを見ている。
「火影様、レイの担当上忍である俺もダメですか?」
いつも命令には絶対服従のカカシまでが食い下がる。
「………レイは今、面会謝絶じゃ。
お前達は、先に帰っておれ。長丁場になる可能性も無くはないからな。」
重苦しく言ったヒルゼンの言葉に四人は驚く。
「長丁場って……レイ君はカカシ先生と同じ幻術をかけられたんじゃないんですか?
カカシ先生はすぐに治ったのに!」
サクラが思わず声を荒げた。
「そうだってばよ!じいちゃん、まだなんか隠してんじゃねーのか⁉︎」
ナルトが珍しくいいところを突いたので、ヒルゼンはヒヤヒヤした。
「レイ……あの子は精神攻撃に弱いからなんとなくそうなるかもしれんと思っただけじゃ。
なにも隠してはおらぬよ。
………わかったな、ナルト。」
「でも、じいちゃん………」
「……ナルト……こうしている間もレイは苦しんでいるのだぞ………退院まで待て。
行くぞ、綱手。」
ヒルゼンはそう言うと、カカシに背を向けた。
「……はい、先生。」
綱手は何か言いたいことがありそうだったが、それを飲み込んだ。
そしてヒルゼンは、綱手を連れてルナの病室に向かった。