第40章 回復
イタチと鬼鮫が木ノ葉に襲来してから、はや数週間。
カカシとルナは、相変わらずイタチの月読に悶え苦しんでいた。
だがそれも、今日までだ。
サスケがちょうど病院の前を通りかかったとき、背後からナルトとサクラの声が聞こえた。
「サスケくーん!ナルトが帰って来たわよー!次の火影様も一緒に!」
「サスケェ!帰って来たぜ!」
その声にサスケが振り向くと、ナルトとサクラ、そして黄色い頭と白髪が目に映った。
黄色い頭は次期火影、綱手で、白髪はヒルゼンだ。
(あの女が次の火影?)
サスケは余り強そうには見えない綱手に不安を覚え、訝しげに綱手を見た。
「綱手のばあちゃんは医療忍術のスペ……スペ…………とにかくすごいんだってばよ!
これでレイもカカシ先生も、もう大丈夫だってばよ!」
スペシャリストが出てこなかったナルトが、そう言ってぴょんぴょん跳ねて、早く行こうとばかりに病院の方を指差す。
「………ふむ。そうじゃの。まず、カカシからじゃ。」
ヒルゼンはそう言って、一行をカカシの病室へ案内した。
綱手は病室に入るとすぐに、カカシの額に手を当て、治療を始めた。
その手は青い光に包まれていた。
やがて、カカシの瞼がピクリと動き、綱手は手を引っ込めた。
「……………ん……」
「…………目覚めたか。久しぶりだな、カカシ。」
ぼんやりした表情のカカシに、綱手が声をかける。
綱手の姿を認めると、カカシはひどく驚いた顔をした。
「……綱手様⁉︎そうだ、俺はイタチの幻術を食らって…………」
ブツブツと呟くカカシに、ヒルゼンが、カカシが倒れてから起こった出来事を、大まかに説明した。