第39章 発覚
「……ふふっ、そんなに見つめんなよ、照れるじゃあねえか。」
妾は腹黒に見えるようにニヤリと笑うと、ルナが大好きなシスイに歩み寄る。
こいつはの顔は、どこかあやつに似ている。
ルナと妾は、趣味が合うらしい。
ま、ルナにそんなつもりは無いようだが…………
「………うちはシスイ、だったか?ま、せいぜい頑張れよ。
ルナはお前が知らねえことを、まだまだたーくさん、抱えてんだからな。
…………おっと、これ以上言うとルナに怒られるな。」
妾は動けないシスイの耳元に唇を寄せてそう囁き、首筋から顎にかけてをスッとなぞると、クスクスと笑った。
「……っ!」
シスイはいつもと違うルナの声色や仕草に驚いたのか、妾から距離を取って身構えた。
そんなに警戒しなくても、取って食いやしねえよ。
「……………まあ、いいさ。お前達が妾を歓迎してねぇってのは、よーくわかった。
………今日のところは帰ってやるよ。
まあでも、またいつか、会うかもな。ルナの命ある限り。
…………………じゃ、達者でな。李蘭に那由他、ルナに愛されし者達よ。
お前達が、千年前と違う結末を迎えることを、祈ってるぜ。」
妾はそう言って口元に手を当てて笑うと、飛雷神で木ノ葉へ飛んだ。
木ノ葉の病室に戻ると、妾が張った結界はちゃんと残っていて、張り直された痕跡もなかった。
留守の間に誰も来なかったことに、妾は一安心した。
「…………さて、しょうがねえ。誰か来る前に、元通り寝とくか。」
そうボヤくと、皇レイの姿に変化して、少し固い寝台に横になり、妾は魂の一部をルナの肉体から解き放った。