第39章 発覚
「……………ことの始まりは、紅桔梗様がお眠りになってから、丁度九百九十九年後のことです。
…………神皇家に、二人の女の赤ちゃんが生まれました。
それが、ルナ様とキラ様です。
それから一年が過ぎ…………恐れていたことが起こってしまいました。
ルナ様が金色の神通眼を開眼なさったのです。
それはすなわち、ルナ様が装置に入り、魂ごと永遠の眠りにつかねばならないことを示しています。
………しかし、ルナ様のご両親は、それを認めませんでした。」
そう語る李蘭は、どこか遠くを見るような目をしていた。
「………元々紅桔梗様の長女を直系の先祖に持つ、由緒正しき家だった神皇家は、
千年の間に神通眼を持つ者を多く輩出し、力を集めました。
そして、ここ五百年ほど、代々の里長は神皇家の人間が務めていました。
そんな輝かしい神皇の歴史の中で、ルナ様はお生まれになり、依り代としてお目覚めになったのです。」
李蘭はそこで言葉を切ると、辛そうに目を伏せた。
「……………そして、ルナ様のご両親は、私と那由他に僅か一歳のルナ様を託し………
…………この里を、命遁・生命絶滅で、滅ぼされました。
そう………ルナ様のご両親は、ご自分の愛のために…………この里を犠牲になさったのです。」