第39章 発覚
「さて。これで、気兼ねなく訊くことができるな。
李蘭、那由他、何故我が里は滅び、ルナは一人生き残った?なにか、まだ話していない事情があるのだろう?」
妾は状況が未だに飲み込めないシスイ達を放って、まっすぐ李蘭の方を向いた。
李蘭は少し焦ったような顔をし、那由他はバツの悪そうな顔をした。
「妾は、ルナが木ノ葉に来て以降、ルナの身体を通して、この里が滅びた経緯について、お前達から何度も聞いた。
だが、解せぬことがある。
ルナ一人のために、里人全員を殺すなど、どう考えてもおかしいだろう。
何故だ…………装置から解放されてからの十数年間、どう考えても、これだけは解せなかった。
さあ、この里が滅んだ経緯について、詳しく説明しろ。」
ずっと訊きたかったことをやっと訊ける機会が訪れたが、気持ちの方は案外静かだった。
納得のいく説明を期待して、妾は李蘭達をジッと見つめた。
「はい……私が説明致します、紅桔梗様。」
李蘭はそう言って、恭しく跪いた。
ふふっ、千年経っても変わらぬな。我が僕ながら、見上げた忠誠心だ。
「そうか………頼んだぞ。」
妾は軽く溜息を吐いた。
依り代のために数万人が殺されるなんて、全くもって想定外だ。納得できる理由があればいいが。
「はい……では。」
李蘭は顔を上げ、強い決意と覚悟の宿った瞳で、妾を見た。
しばらく見ない間に、少し逞しくなったようだな。