第38章 偽装工作
「今回の件で、大蛇丸は忍術を使えなくなりましてね。サスケを狙うのは、格段に難しくなった筈です。
念のために、もう少し木ノ葉への潜入は続けます。」
ルナの影分身は先ほどの笑みを収めると、クイっとお茶を飲むふりをした。
「そうかぁ………ルナ、お疲れ様。今日はゆっくりしていってくれ。」
シスイがルナの影分身を労った。
「………またシスイさんの家に泊まっても良いんですか?」
「ああ。勿論だ。」
「えへへ、ありがとうございます。」
ルナの影分身とシスイは、嬉しそうに笑いあった。
その横では、がくりとしている李蘭と、それを慰める那由他、
何故か少し顔を赤くしている再不斬、その絆を羨ましく思っている白がいた。
(また、シスイさんにルナ様をとられた………私は六年もずっと一緒にいたのに…………)
(泣くなよ李蘭………俺の扱いの方が、遥かにヒドイぜ……この喋り方の代償が、こんなに大きいとは………
さっさと直しときゃ良かった………)
(………チッ……シスイのヤツ、見せつけやがって…なんでこっちが恥ずかしがらなきゃなんねーんだ…………)
(ルナちゃんとシスイさん……仲良いなぁ………再不斬さんも昔よりだいぶ優しくなったけど…………
………いつか、再不斬さんとあんな風に仲良くできたらいいなぁ………勿論、ルナちゃんとも。)
白はその絆の種類の認識を間違えていることには気がつかなかった。