第38章 偽装工作
そのまま、ルナ達は楽しく食事を摂った。
ルナの影分身はその間、木ノ葉崩しについて軽く報告し、その場を賑やかせていた。
「それで、サスケと我愛羅の試合中に、会場全体に幻術がかけられて、みんなスコって寝ちゃったんです。
サスケは我愛羅を追って行っちゃうし、三代目火影は結界の中で大蛇丸と戦ってるし、音の忍はいっぱい入ってくるし………
…………もう、めちゃくちゃでしたよ。」
ルナの影分身が苦笑いして言う。
「そうか、大蛇丸、性懲りもなく木ノ葉に戦争を仕掛けて来たか………砂まで巻き込んで………」
シスイが昔見た大蛇丸の不気味な顔を思い出しながら呟いた。
「ええ。でも、大蛇丸の方は三代目火影が頑張ってくれたから、なんとかなったんです。
結果的に、三代目火影も死なずに済みましたし。
どちらかと言うと、音の忍と砂の忍の方が、兎に角数が多くて、大変でした。
影分身いっぱい出しておいて、本当に良かったです。」
そう言ってふぅと溜息を吐くルナの影分身を見て、他の皆は、
(ルナ一人いれば、他に忍なんて必要ないんじゃ………)
と思った。
「…………そう言えば、そのサスケってのは、あの写輪眼のガキか?」
再不斬が思い出したように呟く。
「ええ、そうです、そうです。そして、私の弟でもあります。
直接の血縁関係にはありませんが、私の母がうちはだったので、まあ、いとこかはとこってところです。
…………でも、私にとっては、とても大切な弟なんです。」
そう言ったルナの影分身の顔は、女神のような慈愛に満ちていた。
その笑顔に皆が癒されたことに、本人は気がつかなかった。