第38章 偽装工作
その後、ルナの影分身が夕食を作っている間にサソリとデイダラが帰宅し、六人での夕食になった。
サソリは食事を必要としないため、部屋にこもってしまっていた。
「ペインさんと小南ちゃんとゼツさんとトビさん、帰って来ませんね……………」
残念そうに言うルナの影分身は、夕食は食べずにお茶を飲むフリをしていた。
(もう、あと数回しか帰って来られないのに……………小南ちゃんに会いたいよ…………
て言うかそろそろオビト対策とかカグヤ対策考えないと……………)
「ああ。他国に行ってるらしい。あと数日は戻らないだろう。」
イタチがルナの影分身の呟きに答える。
「それより、報告するのが億劫ですねえ。
ただ追い返されてしまったんですから…………」
鬼鮫がまたもやはあぁと溜息を吐く。
「そんなことよりよぉ、ルナは料理上手だなぁ、うん!ドンマイだ、旦那!」
デイダラが米をかきこみ、もぐもぐと咀嚼する。
「……………いい嫁になるな。」
「え?」
角都がボソッと呟いた言葉に、ルナの影分身はポカンとし、他の四人は、思わず口の中のものを丸呑みしてしまった。
「えっ?いやいや、嫁って…………」
ルナの影分身は慌てて否定した。
「…………ゴホッ、ゴホッ…………ルナ、兄さんは聞いてないぞ…………」
むせた後になんとか呟いたイタチの声は、地底から聞こえて来そうなほど低く暗かった。
「いやいやいや、そんな人いないから!私、男の知り合いなんて、イタチ兄さんとサスケと三代目火影くらいしかいないし…………」
ルナの影分身は慌ててそう言ったが、意図的に、ナルトとカカシのことは口に出さなかった。
「そうか…………そうだな。」
イタチはそれを聞いてホッとしたようだった。
そんなイタチを見て他の四人は、
(イタチ…………相変わらずのシスコンっぷりだな…………ルナの婚期は遅れそうだ……………)
とルナの将来を憂いた。