第37章 暁の二人組、襲来
一方サスケは、ルナのうわ言を聞いて、色々と考え込んでいた。
(お父さん、お母さん………?それに、いいよ、みんな生きていけるんだよねって………一体レイは、何を見ているんだ?)
サスケはルナが前に、自分の両親は自分のせいで死んだと言っていたことを思い出し、色々と憶測を膨らませてしまった。
(レイは最初、何かの犠牲になることになっていて、それを受け入れていたが、それを両親が肩代わりした、とか…………?
いやいや、何かの犠牲ってなんだよ………もっと現実的に考えて………………)
その憶測はかなり核心を突いていたが、サスケはそれを非現実的だとして切り捨てた。
(………ダメだ。やっぱり、レイが何を見ているかなんて、全然わからない。)
答えの出ない問いを持て余したサスケは、一旦それについて考えることをやめた。
その間にも、ルナのアウト寸前の、苦しげな呟きは続いていた。
サスケはうなされているルナの手を取り、優しく握った。
(レイ…………俺の勝手な行動のせいで……すまない。
ナルト、早くその医療忍術のスペシャリストとやらを、連れて帰って来てくれ……
…………今、俺がレイにしてやれることは何もない………)
サスケは祈ることしかできない自分の無力さを、受け止めた。
「サス、ケ…………」
眠ったままのルナの指が微かに動いて、サスケの指を握り返す。
「っ!レイ………」
サスケは尊敬する仲間の手を、もう一度しっかりと握った。
その横では、カカシが低く唸っていた。