第37章 暁の二人組、襲来
同時に、その口調に微かな違和感を持った。
(……なんだか、レイのいつもの口調と違うような………レイならさっきのは、痛えとかなんとか言いそうだが………
……………そう言えばさっきの悲鳴も、少し変だったような………)
————————イヤアアアアアアアァァァァ!
(レイの悲鳴なんて今まで聞いたこと無かったが、なんだかやけに……………
……………なんて言うか、女みたいだったな………)
サスケはルナの口調がいつもと違うことに疑問を持ったが、丁度木ノ葉の門が見えてきて、そのことをサッと忘れてしまった。
「着いたな。サスケ、早くレイを病院に!」
ガイがサスケを急かす。
「……わかってる。」
サスケはそう返事をすると、急ぎ足のガイと一緒に木ノ葉の門をくぐった。
やや急いでルナを病院に担ぎ込むと、ルナはカカシと同じ病室に収容された。
サスケはそれが何故か気に入らなかったが、その理由はわからなかった。
ルナがベッドに横たえられたのを見ると、ガイはヒルゼンに報告に行った。
応援に来たルナの影分身一体が、それについて行った。
サスケはその場に残って、ルナの顔を見つめていた。
ルナは時折、苦しげに呻き、ポロポロとうわ言を零していた。
「………うっ………お父さ、お母さ………」
「……いい、よ……それで…みんな……生きて、いけるんだよね…………?」
「いいから………そんなことしなくて、いいから…………やめてってば…………」
「…………ごめん…なさい……ごめんなさ………」
脈絡がないながらも、地雷寸前の本体のうわ言に、影分身達はハラハラした。
(ヤバイ!月読で精神が無防備になってるせいか、いつイタチ兄さんとか私とか言い出すかわからない!
ヤバイ!ヤバイ!絶対絶命だ!もう、しょうがない。もし本体がそういうこと言ったときは、聞いてた人の記憶は消させて貰おう。)
影分身達は、引き続き本体の監視を続けることにした。