第37章 暁の二人組、襲来
木ノ葉までの道中、サスケとガイは余り喋らなかったので、サスケは自分の頭の中を整理することが出来た。
(今は確かめようも無いが……レイは何故、先に出発した俺より早く、ナルトのところにいたんだ?)
サスケは、自分がナルトのところについたときに、既にルナがいたことを疑問に思っていた。
(一回間違った部屋に行っちまったからな……そのせいか。その間にレイは、ナルトのところに着いたんだろう。
恐らく、俺が出てすぐに、後を追ったに違いない。)
サスケはその件については納得して、次なる疑問を考え始めた。
(どうしてレイはあの時、俺の前に出て来たんだ………これじゃまるで………
…………あいつが俺にしようとしていたことを知っていて、それを肩代わりしたみたいじゃないか………
……とにかく、レイが元に戻ったら、タイミングを見て訊いてみよう。)
サスケがそう思っていると、意識を失ったままのルナが、小さく呻き、呟いた。
「うぅっ……痛い………痛いよ………ごめんなさ……」
月読をかけられたルナは、様々な惨劇が入り混じった、悪夢を見ていた。
前世で一家皆殺しに遭ったときのこと。
この世界での父と母の、悲しくも決意に満ちた笑顔が、遠ざかって行ったときのこと。
フガクとミコトを殺したときのこと。
前世の辛い記憶に加えて、自分が犯した罪が今、罰となって、ルナの精神を苛んでいた。
サスケはそのか細い声を聞いて、胸が締め付けられるような気がした。
(レイ……俺を庇ったせいでこんなことに…俺のせいでこうなったのに、結局ナルト頼みか……俺は……
………クソッ!もっと、もっと強くならねえと………)
サスケは自分の不甲斐なさを噛みしめた。