第37章 暁の二人組、襲来
「え?ど、どーなってんだ、レイ⁉︎そいつらなんなんだってばよ⁉︎」
混乱したナルトが叫ぶ。
「ナルト、来るな!後で説明するから!」
ルナは高速でチャクラを練り、腕に力を込めて、再度鮫肌を弾き飛ばした。
攻撃を二度も止められた鬼鮫の顔は、驚きに満ちていた。
「何故……いや、どうやって………」
「………………」
イタチは相変わらず、予想外に手強い下忍を、黙って写輪眼で見ていた。
そこへ、ドタドタ、と廊下を走る音がして、サスケが現れた。
「うちは……イタチ‼︎」
サスケが憎悪に満ちた眼差しで、イタチを睨んだ。
ナルトはその台詞で、目の前にいる、写輪眼をもつ男の正体に気がつく。
(アイツが、サスケが言ってた……殺したい男………)
サスケは続いて、ナルトと、ナルトを守るように立っているルナに気がついた。
(レイ……?どうして俺より先に……?)
だが、復讐対象を目の前にしたサスケが、そのことを考えていたのは一瞬だった。
「……アンタの言った通り、恨み、憎み、そして……アンタを殺すためだけに俺は………生きて来た‼︎」
サスケが千鳥を出し、雄叫びをあげながら、イタチに突っ込んで行く。
千鳥は宿屋の壁を破壊しながら、チッ、チッ、という独特の音を立てていた。
サスケの千鳥がイタチに命中したかに見えた刹那、サスケはイタチでなく壁を破壊し、イタチはサスケの腕を掴んでいた。
「………サスケ、お前は弱い。」
イタチはそう言うと、サスケの腕を強く握って、折ろうとした。
そこへルナが飛び蹴りをかまし、イタチは瞬時にサスケの腕を放して、それを受け止めた。