第7章 入学宣言
李蘭はいきなりルナに飛びかかって、蹴りを放ってきた。
実際の蹴りのスピードは凄まじかったが、ルナにはスローモーションだったので、難なく避けられた。
そのまま十分程、李蘭が攻撃して、ルナが避ける、というのが続いた。
李蘭は不意に止まって言った。
「ルナ様、次は貴女の番です。」
「うう……李蘭に攻撃なんてしたくないよ………」
「っ……ありがとうございます。でも、ご安心下さい。
…………私も、そう簡単にはやられません。」
李蘭は一瞬嬉しそうな顔をした後、ニヤッと笑った。
「そう……じゃあ、いくよ!」
ルナは果敢に李蘭にとびかかっていった。
…………しかし、一発も当たらなかった。
「うーん、当たらないなぁ……」
「私の方でも、神通眼を使って避けていましたから……」
「あれ、李蘭と那由他も、神通眼持ってるの?」
「ええ。私達の神通眼は、神の子孫達のものとは少し違うので、色は能力に関係ありませんが、
基本的な能力は、ルナ様のものと同じです。」
「へえ……じゃあなんで、いつも使わないの?」
「只の手加減です。それよりルナ様、まさか神通眼を使わされるなんて、思いませんでしたよ。すごい成長です。」
とは言いつつも、李蘭が神通眼を使ったのは、最近髪飾りになってじっとしていることが多く、眼も身体も鈍っていたため、
神通眼を使って一瞬早く回避行動を取らなければならなかったからだった。
「そう?やったあ!」
ルナは李蘭から褒められたのが純粋に嬉しくて、そう言って万歳をした。
「これで忍者学校も、安心ですね。」
「そうだね、体術は私の目の上のたんこぶだからね……」
ルナは何年後かに遭遇するであろう、某超濃ゆい人を思い出して、溜息を吐いた。