第36章 奇跡と後始末
カカシはルナが焼いた秋刀魚の塩焼きを口に入れて、目を見開いた。
(うまっ………流石レイ、モノのチョイスも焼き加減もバッチリだな!)
続いて、黒い茶碗に盛られた、一粒一粒が真珠のように輝いているご飯をかきこむ。
(うんうん、米もうまい。まさにもちもちだ!)
そして、これまた黒い椀に注がれた、茄子の味噌汁を啜る。
(ああ、かつおダシと昆布ダシの相乗効果、そして、ちゃんとアク抜きされた茄子!
うまい…………レイは、定食屋を開けるな!)
カカシはルナの完璧な家庭料理に感動し、しばらく黙り込んだ。
ルナはカカシが黙り込んで下を向いているのを見てルナはヒヤヒヤした。
(あれ?カカシ先生、黙って下向いちゃった………そんなに不味かったかな……
………シスイさんに教わった通りにやったのに……別にそんなに不味くないと思うけど………)
「…………あの、カカシ先生、不味かったですか?」
ルナは、不安げにカカシに訊いた。
するとカカシは顔を上げて、慌ててフォローした。
「イヤイヤ、逆だよ。凄くおいしいよ。」
「そうですか、なら良かったです!」
(やったー!シスイさん、ありがとう!カカシ先生が、美味しいって!)
ルナは自分の料理が認められたことに安心し、不安そうな表情を消して、心底嬉しそうに笑った。
カカシはルナの料理をハイスピードで平らげ、更に味噌汁をお代わりした。