第35章 木ノ葉崩し
そこに、両脇にテマリとカンクロウを担いだルナの影分身が登場した。
ルナの影分身はナルトと我愛羅の間に立ち、カンクロウとテマリを地面に下ろした。
「よおナルト!サスケは無事木ノ葉に着いたみたいだぜ!だから、もう時間稼ぎはしなくて平気だ。」
「そっか………」
ナルトはホッとしたように笑った。
「テマリさん、カンクロウさん、起きて下さーい!」
ルナの影分身は二人の肩を頭がガクンガクンする程揺すって、二人を起こした。
「……ん。」
「……はっ!」
目を覚ました二人は、眠りにつく直前のことを思い出して慌て、あたりを見回した。
そして、倒れている我愛羅を発見した。
「がっ、我愛羅!」
テマリが我愛羅に駆け寄る。
「カンクロウ……テマリ……………もういい。やめだ。」
我愛羅がいつになく弱々しく呟く。
「我愛羅………わかったよ。」
カンクロウはそんな我愛羅を見て、素直に従った。
我愛羅に肩を貸すカンクロウを、テマリはなんとも言えない表情で見ていた。
「じゃあ、砂のみなさん、お達者で☆」
ルナの影分身はそう言ってニコッと笑って、バイバイとばかりに大袈裟に手を振り、シリアスな空気をぶち壊してしまった。
全く空気を読んでいないルナの影分身に、テマリ、カンクロウ、ナルトや我愛羅までもが呆れた。
(皇レイ……こいつのことは、結局よくわからなかったな………
我愛羅を変えたいって言ったり、私を殺さなかったり………変なヤツだ。)
(皇レイのヤツ、空気読まなさ過ぎじゃん……実力は確かなのに、なんか残念じゃん……)
(俺より空気読めてないってばよ…………)
(皇レイ……やはりよくわからんヤツだ………)
砂の三人は、呆れた表情のまま、ルナの影分身とナルトの前からいなくなった。