第35章 木ノ葉崩し
テマリが焦っていると、いつの間にかルナの影分身がすぐ隣に来ていた。
「テマリさん、一旦お休みなさいです。」
ルナの影分身はそう言ってテマリの耳元に唇を寄せた。
「っ⁉︎」
テマリは相手の突然の接近に慌てた。
テマリの耳元でルナの影分身はすうっと息を吸い、小さな声で歌い出した。
「…… 深く海が悼む……この泡沫は海の花………」
ルナの影分身は恒例の、ゆったりした歌を歌って、テマリを眠らせた。
崩れ落ちたテマリの身体を受け止めると、テマリを木の下に寝かせた。
(私が倒しちゃった木々は、今治さないと、治らなくなっちゃうかもだから…………さっさとやろ。
でもって、テマリさんは後で少し移動させよう。)
ルナの影分身は自分が不注意で切り倒してしまった木々を、一本一本修復した。
(ナルトと我愛羅の監視には、他の影分身がついてるから、私は気にしなくても良いよね。)
その間、ナルトと我愛羅のスケールの大きな戦いが続いていたが、その影分身は余り気にしなかった。
木々の修復を終えたルナの影分身が、カンクロウをテマリのところに担いで来たとき、守鶴は砂となって崩れた。
そして、ナルトと我愛羅は、地面に倒れていた。
ナルトが我愛羅に自分の頑張れる理由を語り、我愛羅はそれを聞いて、何かを掴みかけたようだった。