第35章 木ノ葉崩し
テマリが繰り出す様々な攻撃を、ルナの影分身はいつものように全てかわし、時間を稼いでいた。
「テマリさーん、こっちですよ?」
ルナの影分身はテマリの背後にある木に着地し、ヘラっと笑って見せた。
「くっ……カマイタチの術!」
テマリが巨大扇子を振って風に残り少ないチャクラを練り込み、作り出した真空の刃をルナの影分身に向かって大量に飛ばして来た。
「ふふっ、やっと本気で攻撃してくれた。
風遁・風刃乱舞!」
ルナの影分身は、大量の真空の刃をかわすのが面倒になって、自分も手から真空の刃を放ち、テマリの攻撃を相殺した。
しかし、テマリの真空の刃を打ち消してなお消えなかったルナの影分身の真空の刃が、あたりの木々を切り倒してしまった。
テマリの攻撃を打ち消すだけのつもりで、まさか自分の真空の刃が残るとは思っていなかったルナの影分身はそれを見て、
(ああー!うっかり森林破壊しちゃった!罪も無い木々がぁああー!)
と、激しく反省し、かわすのを面倒くさがったことや真空の刃の軌道への注意を欠いていたことを後悔し、頭を抱えた。
テマリは自分の精一杯の攻撃が全て打ち消されたのを見て焦燥感に駆られた。
(カマイタチを打ち消された⁉︎……まずい、もう一度あれをやるのは、はっきり言って無理だ………
……それに、できたとして、皇レイを倒すなんて、私にはできそうもない。
………どうすれば…………………)