第35章 木ノ葉崩し
テマリはルナの影分身の説明を聞いて驚いた。
(皇レイ……我愛羅に守鶴が宿っていることを見抜いた上で、我愛羅を変えたいとぬかすとは……
……いつでもあの金髪を助ける自信があるということか………やはりコイツ、ただの下忍じゃない………)
「………皇レイ、お前は何者だ?」
テマリはルナの影分身に、浮かんだ問いを率直にぶつけた。
ルナの影分身はそれを聞いて、またかぁと言うような顔をした。
「何者って……なんでみんなそればっかり訊くんですかねぇ………
俺はただの皇レイですって、何度言ったことか……」
ルナの影分身はそう言うと、盛大に溜息を吐いた。
「ナルトと我愛羅の決着がつくまで、暇ですね……
……しりとりでもします?あ、ちなみに、ナルトと我愛羅の邪魔はさせませんからね。」
ルナの影分身はテマリの横に座ると、そう言って笑った。
テマリはリラックスしているように見える相手を見て、ますます緊張した。
(しりとりをするか、だと?目の前で仲間が戦っているのに………
……危なくなれば、すぐに止める自信があるということか……どうしてそんな自信があるのかはわからんが……
……やはりうちはサスケよりも、皇レイの方がヤバそうだ………)
テマリが色々考えていると、ルナの影分身が立ち上がって、少し離れた木の上に飛び移った。
「?」
テマリがその行動を疑問に思っていると、ルナの影分身はテマリに手招きした。
(やっぱりナルトが頑張ってるときに、サボってちゃ悪いよね。)
「やっぱり、木ノ葉に戦争を仕掛けて来た砂の一員を、タダで返す訳には行きません。
てな訳で、俺と戦って下さい、テマリさん!」
ルナの影分身は嘘で塗り固めた笑顔を浮かべたまま、臨戦態勢になった。
「そう……なら、行くよ!」
テマリはルナの影分身の適当さに少々呆れながら、攻撃を開始した。