第35章 木ノ葉崩し
「どうも、我愛羅、テマリさん。俺とナルトが相手になります。」
ルナの影分身は我愛羅の正面にある木の上に着地すると、ニコリと笑って挨拶した。
それを聞いて我愛羅はニヤリと笑い、テマリの顔には緊張が走った。
「皇レイか……来いぃ!お前を殺して、俺は俺の存在を確かめる!」
我愛羅は獣のような殺意剥き出しの顔で言った。
ルナの影分身はそんな我愛羅相手にも、いつも通りの穏やかな笑みを向けた。
「我愛羅、お前の相手は俺じゃない。ナルト、頼んだ!」
「え?あ、ああ、わかったってばよ!」
ナルトは突然の指示に戸惑いながらも、我愛羅に向かって飛び込んで行った。
「さてと。テマリさん、俺があなたの相手をします。
ところで、俺と戦う気あります?俺はあんまり無いんですけど。」
ルナの影分身は木の上で固まっているテマリのすぐ横に降り立つと、しゃがんでテマリの顔を覗き込んだ。
テマリはそれを聞いてずっこけた。
「私と戦う気が無いだと?だったら何故、お前が我愛羅と戦わないんだよ?」
ルナの影分身はそれを聞いてハハッと笑った。
「さあねぇ。強いて言えば、ナルトが我愛羅を変えてくれるんじゃないかと思って。」
(私じゃあ、我愛羅の気持ちを完全に理解することはできないからな………)
そう言ったルナの影分身は少し残念そうだった。
テマリは相手の敵らしからぬ台詞に疑問を持った。
「どういうことだ?」
「だって、ナルトも我愛羅も人中力でしょう?
二人とも似たような経験をしているんじゃないかと思いまして。
ナルトと全力でぶつかることで、我愛羅はきっと何かを見つけてくれる気がするんです。」
ルナの影分身はナルトと我愛羅の攻防を目で追いつつ、テマリに説明した。