第35章 木ノ葉崩し
「サスケェ!」
「サスケ君!」
眼を瞑ったサスケを見て、ナルトとサクラは狼狽えた。
「大丈夫、眠っただけだ。命に別条はない。」
ルナの影分身は二人を安心させるように、落ち着いた声色で言った。
そして、シカマルとパックンの方を振り向いた。
「シカマル、サクラ、パックンさん。
俺とナルトであいつらをどうにかしている間に、サスケをお願いします。
行くぞ、ナルト!」
「え?お、おう!」
ナルトは何故自分が指名されたのかわからないまま、我愛羅の方に向かったルナの影分身の背中を追いかけた。
ルナの影分身は何も説明しなかったが、シカマル達には、その意味がわかった。
(そういうことかよ、レイ……お前が俺達を連れてきた理由がわかったぜ。
レイは俺達を、サスケの運び役として連れて来たんだ……なら、さっさと行くっきゃねえ!)
(レイ君なら……まあ、大丈夫よね。
サスケ君はもう戦えないし、レイ君の指示通り退いた方がいいかも……)
(なんかあのガキに、いいように使われとるな……)
二人と一匹はルナに対してそれぞれ思うところがあったが、ひとまずルナの影分身の指示通りに、サスケを連れて退却した。