第35章 木ノ葉崩し
ルナの本体がヒルゼンと大蛇丸の戦いを見ていたとき、結界の外では、砂忍や音忍と、
木ノ葉の忍との戦闘が起こっていた。
数匹の大蛇が里を囲む壁を破壊し、里中に侵入して来たその時、空中に幾筋もの光が煌めき、大蛇は輪切りにされ、動かなくなった。
それと同じような現象が複数の場所で起こり、木ノ葉の忍、砂の忍、音の忍、皆が混乱した。
他にも、木ノ葉の忍が、もうダメだと思って目を瞑ったとき、いつの間にか敵が消えていた、死んでいたなどの事態が相次いだ。
誰もがこの現象に首を傾げたが、それがルナの影分身の仕業だと気がつく者は、誰一人いなかった。
その甲斐あってか、木ノ葉崩しは早々に鎮められ、木ノ葉の死者は奇跡的にゼロだった。
砂の忍も、ルナの影分身が幻術をかけて木ノ葉から追い出したため、そこまでの死者は出なかった。
しかし、音の忍は、例の見えない敵……もといルナの影分身に、皆殺しにされた。
木ノ葉の忍は、あちこちに転がる音忍の死体を見て、首を捻った。
木ノ葉で戦闘が起こっていたとき、我愛羅達は森の中を移動していた。
そこにサスケが現れてテマリと戦闘を始め、カンクロウは我愛羅を担いでその場を後にした。
サスケはテマリを適当に伸すと、我愛羅達を追いかけた。
サスケはすぐに我愛羅達に追いつき、両者は睨み合った。
やや遅れてテマリが現れ、カンクロウにサスケについて警告した。
そこに、姿を隠していたルナの影分身のうちの一体が、皇レイの姿で現れた。
「サスケ!遅くなって済まない!」
ルナの影分身は、まるで今さっき来たばかりのような顔をして、サスケの隣に降り立った。
「レイ!追いついたか!」
サスケはルナの影分身を見て、驚いたような顔をした。
(レイなら多分追いつけるだろうと思っていたが……一体どこから来たんだ?
さっきまでまるで気配を感じなかったのに………)