第35章 木ノ葉崩し
————————実は、火影様。大蛇丸が、サスケを狙っていると言う情報があるのです。
————————いざという時のために、側にいさせて欲しいのです。お願いします。
ルナの言葉を思い返したヒルゼンは、その真意に、ようやっと気がついた。
(ルナは元から、身がわりになるために………
……サスケの代わりに大蛇丸の器になるために、木ノ葉に来た、と言うことか……!
何故ルナは、大蛇丸の計画を知っていたのか、そんなことは今はどうでもいい。
儂が今、大蛇丸を倒さねば、里は滅び………… ルナが死ぬ!)
ヒルゼンは、里の為、ルナの為に、大蛇丸を殺すべく、あの術の準備を進めた。
扉間が黒暗行の術をヒルゼンにかけ、ヒルゼンの視界は真っ暗になった。
ヒルゼンの真っ暗な世界に、大蛇丸の声だけが響く。
ヒルゼンを木ノ葉という組織の、一時の頭に過ぎないと言い捨てる大蛇丸に、ヒルゼンは、
自分にとって木ノ葉はただの組織ではなく、大事な家であり、
木ノ葉の忍は、たとえ血の繋がりがなくても、かけがえのない家族であると言って、大蛇丸に屍鬼封尽を使った。
しかしやはり体力不足のようで、苦戦していた。
ルナはヒルゼンが屍鬼封尽で大蛇丸の両腕の自由を奪ったところで、四紫炎陣の中に突入した。
(結界・夢幻天球!)
そして、四紫炎陣の内側にもう一つ結界を張り、外から見た中の様子を操作し、覗かれないようにした。
それから、ルナは迷彩隠れの術を解いた。
「ストーップ、火影様、大蛇丸さん。」
「‼︎」
いきなり現れて新たに結界を張ったルナに、二人はそれぞれ反応した。
「ルナ……やめ、ろ……危険じゃ……」
「ああら、ルナちゃん……遅かったじゃない………」
ヒルゼンは既に瀕死、大蛇丸は印が結べない状態で、どちらももう戦えなかった。